【エンジニアの転職面接】転職面接で挫折経験を聞かれた際の正解を考える。
面接で聞かれる、「現職の中で挫折経験があれば教えてください」という質問があります。
質問の理由、ポイント等を考えていきましょう。
挫折経験なんて答えてしまったら面接を通過できないかも、減点されないように無難な回答を心がけようとしてしまいがちです。
なぜ面接官はこの質問をしたいのか、回答から何を知りたいのかを考え、面接官に良い印象を持ってもらえるよう回答を考えましょう。
面接で挫折経験を聞く理由
面接で挫折の経験を聞く理由は以下があげられます。
- 挫折をどのように乗り越えたのか知るため
- 転職者のストレスに対する耐力を知るため
- 面接官(未来の上司)が、転職者と一緒に新しい課題に取り組めるか知るため
- 困難を乗り越えて何を学んだのか、今に活かしているのか知るため
順番に解説していきます。
挫折経験をどのように乗り越えたのかを語ろう
面接官は転職者が、仕事で発生した課題に対してどのように乗り越えようとしているか、失敗に対してどのように向き合っているかを短い面接の時間の中で知りたいと考えています。
新卒時の就活面接とは違い、面接官は転職後の上司になることが多いです。
1次面接は直接の上司(課長さん)、2次面接はその上の上司(部長さん)が一般的です。
面接では一緒に働く仲間を見極めているということですね。
一緒に働く仲間は逆境に強い方が良いですよね。
自分には挫折をこのように解決した経験がありますと伝えることで、未来の上司から一緒に働きたいと思ってもらいましょう。
【例文】失敗を分解して乗り越えた
過去の製品開発の中で、新製品の外装に覆われた中で使っている金属で作ったブラケットが錆を評価する試験の中で錆びてしまうという不具合が発生しました。
そのブラケットは過去の製品でも類似の場所で使用しており、過去の製品開発では錆びたことはなく、新しい製品でしか錆は発生しません。
解決方法がわからない中、問題を分解しました。
- 過去の製品で実施した評価試験の報告書をチェック
- 過去製品のために納入された部品を確認
(部品不良はないか) - ブラケットの表面処理の膜厚を測定
- 評価試験で使用している液体は適切かチェック
- 評価試験中の製品の中を動画で撮影し、評価中の状態を確認
- 動画は新製品だけではなく過去の製品も実施
これらの項目を確認することで、新しい製品に採用された外装部品の形状が変わっており、そこから評価試験用の液体が垂れており、新製品のみブラケットに液体がかかってしまっていることが分かりました。
私はうまくいかない事が発生したら確認項目を分解し、一つ一つ確認することで乗り越えるようにしています。
自分のストレス耐性をアピールしよう
仕事をしていれば、日々ストレスを感じていることと思います。
ましてや仕事の中での失敗や挫折を感じた時、大きなストレスを抱えてしまうものです。
仕事の失敗があったとき、挫折を感じたときは何を心がけているか自分の心持ちを説明することでストレス耐性を説明することができます。
ただし、ストレス耐性を説明するというのはストレスの発散方法をお伝えすることではありません。
自分は失敗に対してこのような考え方をしています。転職希望先でも困難に直面した時にはこうやって一緒に失敗に対して立ち向かいますという意思表示をしましょう。
【例文】挫折を人を巻き込むことで乗り越えた
自分では原因がわからないけれど、製品開発評価の一項目である加振試験(製品に振動を与え、部品が壊れないか確認する試験)で製品が壊れてしまう不具合が発生しました。
所属するチームメンバーにも声をかけて何が原因で壊れてしまうのか議論をし、対策を講じて再試験するも、再び同じ様に製品は壊れてしまいました。
不具合は解消できないまま時間だけが過ぎていき、製品の生産開始日がどんどん近づいてきます。
不具合の原因を突き止めるために、次はチームメンバーだけでなく、試験担当者、製造、製品内の電子部品設計者、機械設計者を集めて議論をしたところ、加振試験中に発生する共振が原因で不具合が発生しているのではと根本の原因を突き止めることができました。
このように、私は自分ひとりで考えてもわからなかったことを他部署の方を含めて巻き込むことで問題を解決するという経験を得ることができました。
困難を乗り越えて何を学んだのか語ろう
仕事をするってクエスト(困難)の連続ですよね。
毎日毎日、大小さまざまな課題が湧いてきて、課題に対してチーム戦で解決する。
クエスト毎にしっかりボスが出てきて、倒さないと前に進めない。
我々を採用しようとする未来の上司も、日々クエストに立ち向かっています。
未来の上司が知りたいのはしっかりスライムを倒しますか?ボスに立ち向かいましたか?という経験を知りたがっています。
つまり、課題(困難)の大小は関係なく、どんな課題に対して、どのように向き合い、何を学んだのかを伝えることが大切です。
せっかくの転職面接で大学時代のサークルの話や大学時代のバイトの話を持ち出すのはもったいない。
先月会社で発生した課題でも良いので、現職での経験を伝えましょう。
【例文】自分の無知から引き起こしてしまったトラブル、反省から学びを得た。
液体を封入する製品を扱った際に、試作部品のパッキン設計を担当することになりました。
日々の開発業務の中では、既存のパッキンを採用していましたが、今回の製品にマッチするサイズのパッキンがなかったため、新しい図面を作成する必要がありました。
これまでは既存のパッキンを使っており過去の図面を描いた人たちは周囲にはいない状態でした。パッキンのサイズ変更のため図面をコピーして使いまわしをしましたが図枠に記載されている硬度をコピーするのを忘れていました。
出来上がったパッキンを製品に組み付けて使用してみると液体の漏れが多発してしまいました。
原因を調査すると過去のパッキンに対して高度が高く、パッキンの接触する面にパッキンが追従できていないことが分かりました。
まず取り組んだのは試作品のパッキンの取り換えです。
試作品は海外拠点にあったので取り換えのためのマニュアルを作成し取り換えの方法を現地のスタッフに教え、webカメラで実際に作業する風景を撮影しながらやり方をレクチャーしました。
トラブルに対応する中で普段は話をしないような方とも触れ合う機会があり、「その不具合ね、過去にもあったよ。」という話も聞くことができました。
同じトラブルを何回も発生させてはいけないと考え、次に同じ様な部品を設計する人が同じ間違いをしないように基準書を作成しました。
私はこの経験から部品を設計する際には何がキーポイントで、同じような不具合は過去にも誰かが経験していて、過去の不具合が次の世代の設計者に受け継がれていないということを知りました。
自分が経験した不具合を文書にして残す大切さを学びました。
結論:挫折経験を質問されたらチャンス。自分の仕事に対する向き合い方を大きく評価してもいましょう。
3つの例を入れて解説してきました。
日々仕事に取り組む中で困難は多く、大抵の課題に対しては何等かの方法で解決をしているはずです。
未来の上司に一緒に働きたいと思ってもらえるよう、しっかりアピールしましょう。